VARとは
VARとは『Video Assistant Referee(ビデオ・アシスタント・レフェリー)』の略称です。
サッカーの試合においては、主審1人、副審(線審)2人、第4審判1人の4人がフィールド、もしくはその周辺にいますが、それ以外に映像で試合を確認し、判定のサポートをする審判員のことを『VAR』と言います。
VARは、国際サッカー評議会(IFAB)の承認を受けた組織、スタジアムにおいて、ライセンスを取得している審判員によってのみ採用できることとなってます。
VARの役割
VARの役割は、『はっきりとした明白な間違い』を無くすことです。
ですので、『その判定は明らかに間違っている』という事象に限ってVARが介入することになります。
その上で、介入されるのは、以下の4つのケースのみに限られています。
VARが介入する4つのケース
① 得点かどうか
② PK(ペナルティーキック)かどうか
③ 退場かどうか
④ 警告・退場の人間違い
①に関しては、得点をする直前のプレーに関して『オフサイドではないか?』という確認にもVARはよく使われています。
VARの手順
まず大前提として、VARはVOR(ビデオ・オペレーション・ルーム)と呼ばれる別室におり、複数のモニターや映像を確認するための機器を使って試合をモニタリングしています。
また、頭にはヘッドセットを付け、フィールド上の審判と交信して、いつでもコミュニケーションを取れる状態となっています。
手順の内容を確認する前に、まずはここをチェックしておきましょう!
手順① フィールド上の審判がまずは判定を下す。
手順② プレーが止まったら、VARは事象をチェックしていることを主審に伝え、チェックする。
その間主審は、①片耳に手を当て、②もう一方の腕を伸ばす というジェスチャーをすることで、『VARがチェックしていること』が周囲の人に分かるようにします。
手順③ レビューが必要と判断した場合は、VARが介入してレビューを提案する。
その際には、主審は以下の絵のようなジェスチャーをして、VARが介入することを周囲の人に分かるようにします。
手順④ 主審が最終判定を下す。
【パターン① VARオンリーレビュー】
映像から事実として確認できる事象の場合、主審はVARからの情報を元に映像を確認することなく、最終判定を下します。
例えば、オフサイドの判定やボールがゴールラインを超えていたかの確認など、客観的に誰が見ても分かるような場合などです。
【パターン② オンフィールドレビュー】
主審の主観的な判断が必要な場合は、主審はレビューエリアに設置されたモニターで自分で映像を確認して最終的な判断を下します。
その最終判定を下す前には、再度以下の絵のようなジェスチャーをしてから、皆に判定を伝えます。
なお、日本ではオンフィールドレビューを行う時は、スタジアムのビジョンにも同じ映像が映し出されています。
VARはこのような手順で進むわけですね!
VARのメリットとデメリット
メリット
何といっても誤審を減らすことができることでしょう!
誤審があった場合は、当該チームに大きな不利益がある訳ですから、正当な判定ができることは良いことだと思います。
また、誤審をしてしまうと、強烈な批判を受ける訳ですから、審判の方を守る上でも大きなメリットがあると思います。
デメリット
① 確認に時間が掛かる。
映像をしっかり確認する訳ですから、どうしても時間は掛かってしまいますよね。
時間が掛かると試合自体がその間は止まってしまう訳ですから、VAR介入の回数が多いと試合が止まる回数も増えてしまい、試合のスピード感というかスムーズさというか、そういったものが損なわれてしまうのが嫌なところかなと思います。
② 本当に微妙なところまでファールになってしまう。
というか、それさっきメリットって言ってなかった?
最もなご意見だと思います。
ただ、VARがない時は間違いなくファールとならなかったような『つま先だけちょっと前に出ていた』というオフサイドによって、素晴らしいゴールが取り消しとなってしまうのが、個人的に何とも言えない気持ちになることがあります。
つい先日(1/28)のイングランド プレミアリーグ 第20節 トットナム vs リヴァプールの試合で前半にソン・フンミン選手(韓国)が決めたかに見えたゴールがまさにそういった感じでした。
素晴らしい飛び出しから、冷静なシュートでのゴール。
アジア人もこんなゴールができるようになったんだ!とちょっと興奮してたら、VAR介入でオフサイド・・・
映像ではほんのちょっとだけ足が出てる。
うーんって感じですよね・・・
まとめ
本日の内容のポイントをまとめます。
ポイント
VARとは『Video Assistant Referee(ビデオ・アシスタント・レフェリー)』の略称。
VARの役割は、『はっきりとした明白な間違い』を無くすこと。
VARが介入するのは、4つのケースのみ。
VARは大きく分けて4つの手順で進められる。
VARにはメリットとデメリットがある。(一部私見含む)
まだまだ新しいルールですので、適応されるケースも含めて少しづつ変更があるかもしれませんね。
またその変化にも注目していきたいと思います。