著者の佐伯夕利子さんってどんな人?
メモ
イラン テヘラン生まれ。
2003年にスペイン男子リーグ3部 女性初の監督に就任。
2004年よりアトレティコ・マドリード女子チーム監督・普及育成副部長等歴任。
2007年にバレンシアCF 強化執行部セクレタリー就任。
2008年よりビジャレアルCFと契約、育成部に所属。
2010年からは女子部統括責任者兼トップ監督に就任。
現Jリーグ常任理事。
すごい経歴(^^;)
現場での経験のほとんどがスペインのトップチームであり、本当に最先端の育成現場を経験されているんですね。
『本気』と『覚悟』
この本は、以下の7つの章で構成されています。
ビジャレアルの7つの育成術とは?
①自分の言動に意識を持つ
②『問い』を投げる
③パフォーマンスを生む言葉を選ぶ
④伸ばしたい相手を知る
⑤丸テーブルに変える
⑥『教えないスキル』を磨く
⑦認知力を育てる
佐伯さんがビジャレアルの育成部で経験された『育成改革』。
全体を通して私が一番強く感じたのは、
この組織がこの改革に対して、『本気』で取り組み、『覚悟』を持って自分達と向き合っているということでした。
元々あったものを『本気』で変えようとするとどうなるか?
間違いなく、何かしらの少なくない痛みを伴います。
その痛みに対して逃げることなく、『覚悟』を持って戦うことで初めて新しいものが生まれる。
そういったことを改めて考えさせられました。
この本の中では、選手ではなく、指導者にカメラが向けられ、それを皆で見てディスカッションをするという話が出てきます。
正直言って、それってめちゃくちゃ嫌じゃないですか?
私は絶対嫌です(笑)
でも新しいものを生み出すには、それぐらいの『本気』と『覚悟』が必要ということだと感じました。
それは誰のための発言?
これは、私にとって最近非常に頭を悩ませていることです。
この本の中でも、『それって誰のための発言?』というような話題がありますが、私と息子のやり取りの中でも『それって誰のための発言?』ということがよくあります。
つまり私の考えを息子に押し付けてしまっているということですね。
『右にパスを出せよ!』
そう。私が右にパスを出してほしいだけなんです。
ただ答えを出しただけで、息子が自分で判断を振り返るせっかくの機会を奪っているだけなんですよね?
『さっきどんな風に見えてたの?』
『どうして右に出さなかったの?』
後者は若干攻めてるように聞こえる子もいるかもしれないので、少し注意が必要ですが、こういう質問をして、息子の考えを聞いていかないといけないなと思っています。
まとめ
ビジャレアルで挑戦された『育成改革』。
サッカーの本場スペインでも日々改革が行われています。
サッカー後進国の日本ではどうでしょうか?
いまだにリフティングの回数ばかり追い求めたり、コーンドリブルをひたすら練習したり、育成世代の指導に改革は行われているのでしょうか?
『サッカーを教える』のではなく、『サッカー選手を育てる』ために何が必要かということを今一度考える上で、この1冊は非常に良い機会を与えてくれました。
今後も日々学んでいきたいと思います!